「コーヒーは好きだけれど、カフェインは体に悪いのでは?」「健康のためには、カフェインレスにしたほうがいい?」「ブラックコーヒーのほうが体にはいいの?」
コーヒーを飲む習慣がある方なら、一度はこんな疑問を持ったことがあるかもしれません。
カフェインには、眠気を覚ましたり集中力を高めたりする作用がある一方で、摂る量や時間、体質によっては、睡眠への影響や動悸などを感じる人もいます。
そのため、「カフェイン=体に良くないもの」というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
一方、PUFAフリーという考え方を提唱・発信している崎谷博征医師は、カフェインそのものを一律に避けるべきものとは捉えていません。
発信を読み解いていくと、重要なことは、「カフェインを摂るか、摂らないか」だけではなく、どのような栄養状態で、何と一緒に摂るのかという考え方であることがわかります。
特に重視しているのが、カフェインと糖を組み合わせるという考え方です。
この記事では、崎谷医師のYouTube動画やブログで発信されている内容を参考に、
- カフェインをどのように捉えているのか
- なぜ「カフェイン+糖」を重視するのか
- 空腹時のブラックコーヒーをどう考えるのか
- バターコーヒーとの違い
- ハニーコーヒーという飲み方
- 一般的な医学ではカフェインをどう評価しているのか
について整理します。
なお、この記事では、崎谷博征医師の見解と、現在の一般的な医学・栄養学上の知見を区別して紹介します。
カフェイン=良くないもの、とは限らない?
今回参考にした崎谷博征医師のYouTube動画では、コーヒーやカフェイン、エネルギー代謝などについて語られています。
崎谷氏はこれまでのブログなどでも、「カフェインは一律に避けるべきもの」という考え方に疑問を呈しています。
その発信の中で特徴的なのが、カフェインによって代謝が刺激されるのであれば、そのときに利用できるエネルギー源も重要であるという考え方です。
そして、そのエネルギー源として重視しているのが糖です。
つまり崎谷医師の考え方を簡単に整理すると、「カフェインそのものが良い・悪い」という二択ではなく、「体に利用できるエネルギーがある状態でカフェインを摂っているか」を見ることが大切だ、ということになります。
なぜ「カフェイン+糖」なの?
崎谷医師は、糖質を体の重要なエネルギー源として捉えています。
そして、カフェインによってエネルギー産生が刺激される際に、利用できる糖が十分にない状態では、体が別の仕組みを使ってエネルギーを確保しようとする、という考え方を示しています。
そのため、カフェインだけを摂るのではなく、糖も一緒に摂ることを重視しています。
わかりやすくイメージするなら、カフェインが代謝を刺激する役割を持つとすれば、糖はそのときに利用する燃料という捉え方です。
※これは崎谷医師の発信内容を理解しやすくするために、この記事で整理した表現です。発言をそのまま引用したものではありません。
この考え方から、「コーヒー+糖」という組み合わせになります。
空腹時のブラックコーヒーはどう考える?
「朝起きたら、まずブラックコーヒー」という方も多いのではないでしょうか。
私も甘みのあるコーヒーは苦手で、朝はいつもブラックコーヒーを飲んでいました。
崎谷医師の2024年、2026年のブログでは、起床時や空腹時など、利用できる糖が少ない状態でカフェインを摂る場合について取り上げています。
その考え方では、カフェインによってエネルギー需要が高まったとき、体は肝臓に蓄えているグリコーゲンなどを利用して血糖を維持しようとします。
そして状況によっては、アドレナリンやコルチゾールなど、血糖維持に関わるホルモンの働きが強くなる可能性があると考えています。
そこで、コーヒーと一緒に糖を摂るという考え方につながります。
ブラックコーヒーを飲む場合、空腹時なのか、食後なのか、それまでに何を食べたのか、コーヒーをどのくらい飲むのか、カフェインへの感受性はどうなのか、などによって条件は変わります。
「コーヒー+糖」の考え方のポイントとしては、ブラックコーヒーが良くないということではなく、カフェインを摂るときの体のエネルギー状態にも注目するというところにあると考えられます。
バターコーヒーとの違いは?
ここで興味深いのが、以前話題になった「バターコーヒー」です。
一般的にバターコーヒーと呼ばれるものには、コーヒー、バター、MCTオイルなどを組み合わせ、糖質を控えながら脂質をエネルギー源として利用することを目的としたものがあります。朝食代わりとして紹介されることもあります。
しかし、崎谷医師は現在、糖を重要なエネルギー源として捉えており、「カフェインを摂りながら糖を入れず、脂肪の利用を促す」という一般的なバターコーヒーの考え方とは、代謝についての前提がかなり異なります。
ここで注意したいのは、「バターそのものを否定している」という事ではないということです。
問題視しているのは、バターそのものよりも、糖を極端に制限し、脂肪を主なエネルギー源として利用しようとする食事の考え方だと読み取れます。
では、コーヒー+バター+ハチミツならどうでしょうか。バターを少量加えたコーヒーに、ハチミツも加える。そうすると、コーヒー、乳脂肪、糖を一緒に摂る形になります。
これは、「カフェインと糖を組み合わせる」という崎谷氏の考え方とは、理論上は矛盾しない組み合わせと考えられます。
あくまでも、崎谷医師が発信している「カフェインと糖を組み合わせる」という考え方を参考にした、この記事での飲み方の一例です。
もっとシンプルに「ハニーコーヒー」
もっと簡単なのが、コーヒー+ハチミツという組み合わせです。ハチミツの主な糖質は、ブドウ糖、果糖です。
コーヒーに少量のハチミツを加えれば、カフェインと一緒に糖を摂る、という崎谷氏の考え方を、普段の生活にも取り入れやすくなります。
また、コーヒー+牛乳+ハチミツというハニーカフェオレなら、糖質に加えて乳製品由来のたんぱく質や脂質も摂ることができます。
では、一般的な医学ではカフェインをどう考えている?
ここまで紹介してきたのは、主に崎谷医師の考え方です。
では、現在の一般的な医学では、カフェインはどう評価されているのでしょうか。
実は、「カフェイン=体に悪いから避けるべき」と単純に考えられているわけではありません。
2026年にAmerican Heart Association(米国心臓協会:AHA)が発表したカフェインと心血管疾患についての科学声明では、健康な成人の多くについて、1日400mg程度までのカフェイン摂取は概ね安全と考えられるとしています。
コーヒーにすると、淹れ方や量によってカフェイン含有量にかなり差がありますが、AHAでは通常のカフェイン入りコーヒー3〜5杯程度に相当する目安が示されています。
現在の一般医学でも、適量のコーヒーやカフェインそのものを一律に避ける必要がある、とはされていません。
一般医学でも「コーヒー」と健康の関係は研究されている
コーヒーについてはこれまで多数の研究が行われています。観察研究では、習慣的なコーヒー摂取と、
- 2型糖尿病
- 冠動脈疾患
- 脳卒中
- 心不全
などとの間に、好ましい関連が報告されているものもあります。ただし、ここで大切なのが、「コーヒーを飲めばこれらの病気を予防できる」とは言えないということです。
多くの研究は観察研究であり、「コーヒーを飲んだから病気が改善した」という因果関係を証明したものではありません。
生活習慣や食生活など、ほかの要因が影響している可能性もあります。
コーヒーの作用を「カフェインだけ」で説明できるわけではない
ここは、崎谷医師の考え方と一般医学を比較するうえで、とても興味深い部分です。
崎谷医師はコーヒーについて考える際、カフェインとエネルギー代謝との関係を重視しています。
一方、一般的なコーヒー研究では、コーヒーの作用をカフェインだけで説明できるわけではないと考えられています。
コーヒーにはカフェイン以外にも、多くの成分が含まれています。また、研究の多くは「純粋なカフェイン」ではなく、「コーヒーを飲んだ人」を対象にしています。
そのため、観察された結果がカフェインによるものなのか、それともコーヒーに含まれるほかの成分によるものなのかを完全に切り分けることは難しい
という問題があります。2026年のAHA科学声明でも、この点が指摘されています。
つまり、「コーヒーの健康作用=すべてカフェインによる」と断定することは、現在の一般医学の知見からは難しいのです。
カフェインは「量・時間・体質」も大切
カフェインについてもうひとつ忘れてはいけないのが、個人差です。
同じコーヒー1杯でも、「夜飲んでも普通に眠れる」という人もいれば、「午後に飲んだだけで眠れなくなる」という人もいます。
カフェインに対する反応には、遺伝的な代謝速度、普段の摂取量、年齢、体調、服薬、妊娠、持病などが関係します。
自分の体の反応を見ながら量や時間を調整することが大切です。
持病がある方、妊娠中の方、薬を服用している方などは、必要に応じて医師や薬剤師などの専門家に相談してください。
エナジードリンクはコーヒーと同じように考えない
「カフェインが必ずしも悪くないなら、エナジードリンクも同じでは?」と思うかもしれません。しかし、これは分けて考えたほうがよいでしょう。
2026年のAHA科学声明でも、通常量のコーヒーについて得られた研究結果を、高用量のカフェインを含むエナジードリンクなどへそのまま当てはめるべきではないとされています。
高用量のカフェインでは、心血管系への影響が懸念されるためです。
重要なのは、「カフェインが入っているかどうか」だけではありません。何から、どのくらい摂るのかまで見る必要があります。
色々な「コーヒー」を楽しむ
ここからは、医学的な推奨ではなく、このブログで大切にしている食生活の考え方としての提案です。
私は、PUFAをできるだけ抑えながら、ハチミツや果物などの糖を食生活に上手に取り入れることをひとつの軸にしています。
そこで、普段のコーヒーを楽しむ方法のひとつとして取り入れやすいのが、ハニーコーヒーです。作り方はとても簡単です。
材料
- お好みのコーヒー……1杯
- ハチミツ……小さじ1〜2杯程度
コーヒーにハチミツを加えてよく混ぜます。
ハチミツの種類によって、香りやコクが変わるのも楽しみのひとつです。
牛乳を加えて、ハニーカフェオレにするのもおすすめです。
さらにコクのある味を楽しみたい場合には、少量のバターを加え、
ハニーバターコーヒーというアレンジもできます。
でも、私もそうですが「やっぱりブラックが好き」という方は、食後やスイーツを食べながらコーヒーを飲むのが良いのではないかと思います。
色々な飲み方で、コーヒーを楽しみたいですね。
まとめ
今回調べてみてわかったのは、「カフェイン=良くないもの」ではないということです。
崎谷博征医師は、カフェインそのものを一律に避けるのではなく、糖などのエネルギー源と合わせて考えることを重視しています。
一方、一般的な医学でも、適量のカフェインやコーヒーは、多くの健康な成人にとって一律に避けるべきものとは考えられていません。
ただし、「カフェインと糖を必ず一緒に摂るべき」という考え方は、崎谷氏の代謝に関する見解であり、一般医学で確立された推奨ではありません。
また、カフェインへの反応には大きな個人差があります。
自分の体調や食生活の中で考えること、そして、おいしく無理なく続けられることが大切だと思っています。
私はこれからも、PUFAをできるだけ抑えながら、ハチミツや果物などの糖を上手に取り入れ、難しい健康法ではなく、毎日の食卓で無理なく続けられる食生活を考えていきたいと思います。
参考資料
・崎谷博征医師 YouTube
「コーヒー、アルコールが体に良いか分からない人へ。世間一般の常識は大間違いだった」
・Dr.崎谷ブログ
「カフェインはなぜ現代人の心身に良いのか?〜リアルサイエンスシリーズ」
2022年9月8日
・American Heart Association
“Caffeine and Cardiovascular Disease: A Scientific Statement From the American Heart Association”
2026年
・U.S. Food and Drug Administration
“Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?”
本記事について
本記事は、崎谷博征医師が公開している動画・記事等の内容を筆者が要約・整理し、一般的な医学・栄養学上の情報と比較して紹介することを目的としています。
崎谷氏の見解として紹介している内容と、一般的な医学上の見解、筆者自身の提案は区別して記載しています。
本記事は特定の医師、治療法、食品、健康法を推奨・否定することを目的としたものではなく、病気の診断・治療・予防を目的とした医療情報でもありません。
カフェインへの反応や適切な摂取量には個人差があります。疾患のある方、妊娠中の方、服薬中の方、カフェイン摂取によって体調に変化を感じる方は、必要に応じて医師・薬剤師などの専門家にご相談ください。
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