牛すじ・牛すね肉の下処理をしておくメリット
牛すじや牛すね肉は、購入した日にまとめて下処理しておくと、その後の料牛すじ肉や牛すね肉は、じっくり煮込むとやわらかくなり、スープや煮込み料理に深いうま味を加えてくれる食材です。
ただ、「下処理が大変そう」「臭みをどう取ればいい?」「一度にまとめて仕込んで冷凍できる?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、時間のある日にまとめて下茹でして冷凍しておけば、コムタンやボルシチ、シチューなどにすぐ使えてとても便利です。
この記事では、牛すじ・牛すね肉の違いから、臭みを抑える下処理、下茹でのコツ、茹で汁の活用法、冷凍保存までをまとめてご紹介します。
牛すじ肉と牛すね肉の違い
牛すじ肉と牛すね肉は、どちらも煮込み料理に向いていますが、部位や食感には違いがあります。
牛すじ肉
牛すじ肉は、主に筋や腱の部分です。
生の状態ではかたいため、短時間の加熱には向きませんが、じっくり煮込むことでやわらかくなり、とろりとした独特の食感になります。
おでんや煮込み、カレー、スープなど、時間をかけて煮る料理に向いています。
牛すね肉
牛すね肉は、牛の脚の筋肉部分です。
よく動かす部位なので筋が多く、生の状態ではかためですが、長時間煮込むとほろほろとやわらかくなります。
赤身のうま味がしっかりしているため、ボルシチやシチュー、ポトフ、スープなどにもよく合います。
牛すじ肉は「とろりとした食感」、牛すね肉は「肉らしい赤身のうま味」を楽しめるのが大きな違いです。
一度下茹でしてアクや余分な脂を取り除き、食べやすい量に分けて冷凍しておけば、使いたいときに必要な分だけ取り出せます。
特に、煮込み料理は調理時間が長くなりがちなので、肉の下処理だけ先に済ませておくと平日の料理にも使いやすくなります。
臭みを抑える下茹でのポイント
牛すじや牛すね肉は、そのまま長時間煮込むよりも、一度下茹でしてアクや余分な脂を取り除いておくと、すっきりとした味に仕上がります。
鍋に肉とたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら表面に浮いてくるアクを取り除きます。
牛すじ肉の場合は、いったん茹でこぼして水で表面を洗ってから本格的に煮込むと、より臭みを抑えやすくなります。
牛すね肉は料理によっては茹でこぼさず、アクを丁寧に取りながら煮込む方法でも問題ありません。
使用する料理や肉の状態に合わせて調整してください。
茹で汁はスープにも活用できます
牛すじや牛すね肉をじっくり煮た茹で汁には、肉のうま味が溶け出しています。
アクや余分な脂を丁寧に取り除けば、コムタン風スープやカレー、シチュー、ボルシチなどのベースとして活用できます。
特に牛すね肉は、肉そのものだけでなく煮汁にもコクが出るので、捨てずに料理に使うのがおすすめです。
ただし、最初の茹でこぼしに使った湯は、臭みや汚れが多く含まれるため、基本的には使わずに捨てます。
基本の下茹での手順
① 水からスタート
鍋に牛スネ肉を入れて、かぶるくらいの水を入れます。
⚫︎熱湯に入れないのがポイントです。(臭みが閉じ込められやすい)
② 中火でゆっくり加熱
中火にかけて、じわじわ温度を上げていきます。
沸騰直前〜沸騰後にアク(灰色の泡)がどんどん出てきます。
③ アクを丁寧に取る
ここが一番大事なので、お玉や網でこまめにすくい、丁寧にアクを取り除きます。
⚫︎最初の5分は特に集中して取ると仕上がりがクリアになります。
④ 5〜10分ほど茹でる
軽く全体に火が通って、アクが落ち着いたらOKです。
⑤ 一度お湯を捨てる
ここで一度ザルにあげて、ぬるま湯で軽く洗います。
(表面の血や汚れを落とします)
⑥ 本調理へ
ここからシチュー・煮込み料理・スープなどに使います。
スープを作る場合は
綺麗にした鍋に、洗った肉を戻し入れ、再び肉がしっかり被るまでたっぷりの水を注ぎます。
臭み消しとして、長ネギの青い部分(1〜2本分)、スライスした生姜(1カケ分程度)を加えます。お好みで酒を少し加えても風味が増します。
強火にかけ、沸騰したら弱火〜とろ火に火力を落とします。
落とし蓋(または少しずらして鍋のフタ)をして、肉が柔らかくなるまでじっくり煮込みます。
- 通常の鍋の場合: 1時間半〜2時間程度。常に肉が湯に浸かっている状態を保つよう、水位が下がってきたら途中で差し水をしてください。
- 圧力鍋の場合: 加圧20〜30分程度(設定による)+ピンが下がるまで自然放置します。竹クシやフォークがスッと通るくらい柔らかくなったら火を止めます。
熱いうちにザルに上げてしまうと肉の水分が飛んでパサつきやすくなるため、ゆで汁につけたまま粗熱が取れるまで冷ますのが、しっとりさせるコツです。
ホットクックで作る場合は
ホットクックで作る場合の工程は、普通の鍋で作る方法と一緒です。ホットクックの設定方法は、
下茹での場合 手動で作る→煮物を作る→まぜない→10分→スタート
本調理の場合 手動で作る→煮物を作る→まぜない→1時間30分〜2時間(最大の設定時間は2時間まで)→スタート
※ 時々蓋を開け、具材を確認しながら調理時間を調整して下さい。
下処理した牛すじ・牛すね肉の冷凍保存
下処理が終わった肉は、粗熱を取ってから1回分ずつ小分けにして冷凍しておくと、そのままスープや煮込み料理に使えるので便利です。
冷凍保存の基本
- 保存期間目安:約2〜3週間(長くても1ヶ月以内が無難)
- 状態:スープごと粗熱をしっかり取ってから冷凍
おすすめの保存方法
煮汁ごと冷凍
パサつきを防止し、旨みをキープするために煮汁ごと冷凍保存をオススメします。
小分けにする
1回分ずつ(100〜200gくらい)小分けにして冷凍すると、 料理をするときに楽です。
空気を抜く
冷凍焼け防止のため、ジップ袋 または 真空パックで、空気を抜いて冷凍します。
解凍方法
冷蔵庫で自然解凍をオススメします。急いで解凍する場合は、湯煎またはそのまま鍋に入れてもOKです。
食感を落とさないコツ
下茹で後に、60分ほど煮て、少しだけ柔らかくしておきます。
冷凍→再加熱でちょうど良くなります。
まとめ
牛すじ肉や牛すね肉は、下処理に少し時間がかかるものの、まとめて仕込んで冷凍しておけば、とても使い勝手のよい食材です。
牛すじ肉はとろりとした食感、牛すね肉は赤身のしっかりしたうま味が特徴で、どちらも長時間煮込む料理によく合います。
週末や時間のある日に下茹でと小分け冷凍まで済ませておけば、忙しい日でも本格的なスープや煮込み料理を作ることができます。
下処理した牛すね肉は、コムタン風の韓国白湯スープや牛すね肉とビーツの本格ボルシチにも活用できます。ぜひまとめて仕込んで、毎日の料理に役立ててみてください。
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牛すじ・牛すね肉に含まれるコラーゲンとグリシン
牛すじや牛すね肉には、コラーゲンを構成するアミノ酸のひとつであるグリシンが含まれています。
グリシンは体内のたんぱく質を構成するアミノ酸の一つで、特にコラーゲンでは重要な構成成分です。コラーゲンは「グリシン・プロリン・ヒドロキシプロリン」などのアミノ酸が規則的に並んだ構造を持ち、皮膚や腱、軟骨、骨などの結合組織を支えるたんぱく質として体内に存在しています。
牛すじをじっくり煮込むと独特のとろみが出るのは、加熱によってコラーゲンの立体構造がほどけ、ゼラチンへと変化するためです。長時間煮込むことでやわらかくなり、スープにもゼラチン質やアミノ酸由来のうま味が溶け出します。
グリシンはコラーゲンの材料になるだけでなく、体内ではさまざまな代謝反応にも利用されるアミノ酸です。
たとえば、体内の抗酸化システムに関わるグルタチオンの構成成分の一つでもあり、たんぱく質合成やエネルギー代謝を支える材料として使われています。
食事から摂ったたんぱく質は消化によってアミノ酸やペプチドに分解され、必要に応じて体内のさまざまな組織や代謝に利用されます。
筋肉部分の多い肉だけでなく、牛すじや骨まわりの部位なども組み合わせることで、含まれるアミノ酸のバランスにも変化が生まれます。
煮込み料理では肉だけでなく、煮汁にもゼラチン質やアミノ酸、うま味成分が溶け出します。アクや余分な脂を取り除きスープまで料理に活用すると、牛すじや牛すね肉の栄養を摂りながら、おいしさを無駄なく楽しめます。

