慢性炎症のトリガーとなる有害物質の体内への侵入経路としては、4つの経路があります。
呼吸器系を通じての侵入:大気中の有害な化学物質や微粒子が、呼吸を通じて肺に取り込まれることがあります。例えば、大気中の排気ガスや化学物質、粉じんなどは、気道や肺胞を通じて吸収され、血液を介して全身に運ばれます。
消化器系を通じての侵入:食物や水に含まれる有害物質が、口から消化器系に取り込まれることがあります。これらは、口から消化器官に入り、そこで吸収されて血液やリンパ管を介して体内に広がります。
皮膚からの吸収:傷口または、有害な化学物質が含まれる製品などによって皮膚の有用生物叢が死滅することで病原微生物が侵入し、血液中に吸収され体内に広がります。
性器からの侵入:性交渉によって病原微生物が侵入することがあります。
この中でも、消化器官は、日常的に外部からの異物と接触する機会の最も多い器官です。
皮膚と同様に腸壁にもバリアがあり、通常、腸壁は栄養素を吸収する役割を果たしながら、有害物質や微生物などの外部からの侵入を防いでいます。
しかし、様々な要因によって腸壁の本来持つべきバリア機能が低下し、微小な穴や隙間ができてしまうことで腸壁から有害な物質や微生物が体内に漏れ出してしまう場合があります。
この腸壁のバリア機能を失った状態を「リーキーガット(Leaky Gut)」といいます。