人はなぜ病気になるのでしょうか
私達人間の体には、自然治癒力が備わっています。
自然治癒力とは、体が自ら病気や傷から回復しようとする力のことです。
人間の体は、ウイルスや怪我など外部からの攻撃や、内部の異常に対し、
非常に複雑で効果的なメカニズムで対処しようとします。
そのシステムの一つを「炎症」といいます。
「炎症」は、「急性炎症」と「慢性炎症」に分けられます。
「急性炎症」は、一過性の症状で、通常、急速に始まります。
例えば、怪我や感染、化学刺激などが原因で起こります。症状には、赤み、腫れ、熱感、痛みなどがあります。
これらの症状は、炎症が発生した部位に血流が増加し、免疫細胞がその部位に移動することで引き起こされます。
移動した免疫細胞は、病原体や損傷した細胞を排除し、修復プロセスを開始します。
通常、数日から数週間で組織の損傷は修復されます。
「慢性炎症」は、身体の組織や器官に長期間にわたって続く炎症の状態を指します。
急性炎症」が短期間で治癒するのに対し、「慢性炎症」は継続的に低レベルの炎症反応が起こり、
組織が損傷を受けたり、修復が適切に行われなかったりします。
慢性炎症は、様々な疾患の基礎となります。
例えば、自己免疫疾患、動脈硬化症、糖尿病、アルツハイマー病、喘息など現代病と呼ばれる慢性病は、
慢性炎症がきっかけとなっています。